山口さんのモロッコ紀行−8

1999-Oct

●モロッコ上陸

 アムステルダムではトランジットのため6時間の空き時間があったのだが、日本での夜中から明け方だったので、空港内 をぶらついてハーゲンダッツを食べた後はほぼ寝ていた。

 一方、ツアーの中には、その間を利用して、運河巡りを計画している人もいた。 取り出した「るるぶオランダ」には、たくさんの付箋が付いている。 その用意の良さにはつくづく感心した。

 初めは同行させてもらうつもりだったが、当初の予想よりも慌ただしくなりそうだったので、結局わたしは行かなかったが、 彼らはアムステルダムまでは行ったそうだ。

 数時間が過ぎ、やっと搭乗時間。

 カサブランカ行きの飛行機は、予想外(というより旅行日程の確認不足に過ぎないが)にもKLMではなかった。スカンジ ナビア系の航空会社らしかったが、大して興味もなかった。眠さのあまり、乗り込む前からずっと朦朧としていたためである。

 「早くベットで寝たいなあ」

 朦朧とした意識でそればかり考えていたので、入国手続きがのんびりしていたのも、閑散としたカサブランカの空港の 様子も、ナツメヤシの生えた町並みもほとんど意識の圏外。

 翌朝目覚めてからやっと、「モロッコに来たんだ!」という実感が湧いたのであった。



●色々な人々

2日目の朝。バイキングの朝食は割合豪華だった。朝食の席で驚いたのは、ツアーの人達の出身地である。三重、 福井、広島、遠くは鹿児島から参加している人もいた。金曜日に会社が終わってから電車や飛行機で東京に来て、前 の日は成田のホテルに自費で泊まったのだそうだ。そうしてまでも来たくなるような国だったのか〜、あなどりがたし、モロッコ。

 バスに乗ると、改めて現地ガイドと運転手両氏の紹介があった。 現地ガイドは、口ひげがよく似合う、アラブ人のムスタファ氏。32、3歳だろうか。 日本語は話せないので、英語での解説をサンタ氏が訳してくれる。高級そうなスーツをぴたりと着こなしており、かなりのインテリと見た。 なお、彼は既婚で娘がいるらしい。

 運転手はベルベル人で50歳位のウイーダッド氏。彼は「老人と海」の雰囲気を持つ、いぶし銀的男前だった。 日焼けしてはいるが、ウイーダッド氏の顔付き見る限り、「ベルベル人白人説」は納得できる。 一方、運転席のそばに日本語で「運転手・ウイーダッドさん」と書いた紙を貼り、日本の交通安全お守りを飾るという茶目っ気もある。

 もう一人、アシスタントのムハンマド氏がいた。見た目は30歳位だったが、 トルコ旅行のレジェフ少年の大勘違いの前例もあるので、自信はまるでないが。

 ツアー中沢山のモロッコ人を見たが、インパクトの強さという点での断突トップは、やはりサンタ氏だった。


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