山口さんの「さまよえるラム」−33

中東のお肉は食べられなかった紀行?


●オビワン2号

 夕方ダマスカスに到着すると、そのまま市内観光。
 
次に訪れたのが、イスラム寺院であるウマイヤ(?後で調べます)モスク。
まばゆい金色の外壁が印象的 で、そこに描かれた木と動物の手の込んだ絵画も素晴らしい。
内部には、ヨハネの首が安置されているという伝説のある、仰々しい廟がある。
ただし、中に本物 があるのかどうかは定かでないそうだ。  

ところで、入場前に、女性だけは入り口近くの小屋に連れて行かれた。
ここを訪れる女性は、フード付足 首丈のマント着用を義務づけられているため、この小屋で借りるのである。  
出てきたときには、全員揃いのくすんだ緑のマント姿で、さながら「スターウォーズで故郷の星を追われた流浪の民」。
わたしはさらに顔にカフィーヤを巻い て、装いを完璧にした。  

ところが、周囲の評判は今ひとつだった。ツアーの人以上に現地民の視線が冷たい。
一方自分はめちゃく ちゃ暑い上、視界は狭い。
周囲にも自分にもメリット が少ないのに耐え抜いたのは、万年最下位の阪神を応援し続けるうちについた根性の賜物であろう。  

だがこの時、ツアー中でも屈指の傑作写真が撮れた。
斜め45度に視線を向け、瞑想にふけるオビワン1号。
群衆に紛れることなくたたずむ、カメラを見据えた目が印象的なオビワン2号。  
現在のお見合い写真候補筆頭は、このオビワン2号である。結果は度外視だが。



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