山口さんの「さまよえるラム」−16
中東のお肉は食べられなかった紀行?
●MMK伝説・子供編
(※MMK=もててもてて困っちゃう)
今日の昼食は、遺跡を出たところにある20畳程のテントでのピクニック風ランチ。
テーブルには、次のようなものが、山盛りで用意されていた。
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<サンドイッチ用>
・直径60cm程のクレープ状のパン
・羊のシシケバブ(焼きミンチ)&何かパンの下で保温されている。いいアイデア。
・生のトマトとキュウリ
・焼きトマト、焼きタマネギ(ともに4つ割り切り)一部、墨状態。タマネギが豪快。
・ペースト各種 内容は不明。豆かヨーグルト?
ゴマペーストです。
パンに塗ってもヨシ。キューリにマヨ代わりに塗ってヨシのアラブの代表的な調味料??
<その他>
・ミントティー
・バナナ
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これらを、好みでパンで巻いて食べる。たまにはこういうのもいいと、なかなか好評だった。
ミントティーは、食堂の主人の息子らしい6歳位の少年が、砂糖を配って歩いた。無口で砂糖を差し出す
様子が大変かわいらしい。
だが、20年後には、彼も腹の突き出た大男になって、女の子を口説きまくるのだろうか。
信じがたいが、それもアラーの深遠なる思し召しなのだろう。
食後のこと。昨日買ったカフィーヤの巻き方が分からなくなっていたので、食堂の主人に教えてもらった。
彼は昨日の売り子とは違った。何度も巻き直しもせず、教え方は実にあっさり。好感が持てた。
そのカフィーヤの恩があったせいもある。その後ぶらぶらしているとき、彼の子供たち4、5人が遊んで
いるのを見て、何かしてあげたくなった。アラブ文化のお返しには、やはり日本文化。よし、折り鶴をあげよう。
ところで、草の根文化交流好きのわたしは、外国で子供を見ると、つい折り鶴を作ってはあげてしまう。
この折り鶴作戦は結構受ける。1匹目は無事折り終わるが、2匹目は完成しないことが多い。
子供達は大体集団で集まってくるので、2匹目は、半分もできていないところで、猛烈な奪い合いになるのだ。
立ち上がって頭の上で鶴を折っていると、子供達がそれ目掛けてジャンプしてくる。踏まれるわ、ぶら下
がれるわ、引っ張られるわ、引っかかれるわ。自分がバスケットゴールになった気がする。
「出来上がるまで待て! 何で、踏んだり蹴ったりされにゃいかんのだ!」
と言いながら、それが結構楽しい。それでつい、毎度毎度同じ事を繰り返している。時間が無いときは、
ヒコーキも好評だ。さて、今回の折り鶴は、やはり受けた。1匹目は8歳位の長女の手に渡った。2匹目は、長女が奪い合い
を制する中で折っていると、父親が現れた。
「くおら〜! 家に入っとれ!」
怒鳴られて、子供たちは半分引っ込んでしまった。だが、折るスピードは、邪魔が減ったため3倍速にス
ピードアップ。それは、一番そばにいた4歳位の次女に渡すことができた。
今度アラブ圏に行くまでには、ラクダの折り方をマスターしておきたいものだ。
ところで、男の子相手なら、とっておきのモテモテ技がある。効果は折り鶴の数倍。恐ろしいほどにすさ
まじく受ける。
それは「武道家のポーズ」。右手を立てるだけでも充分だ。
ただし、その時は覚悟が必要である。回転蹴りが四方八方から飛んで来るのだ。
なお、「○○道3級」では全く役立たないことは立証済みである。あしからず。
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