広告は、1枚の石畳に「ハート」「左足跡」「(一見酋長のように見える)女性」
「消えかけた文字の書いた四角い枠」が描かれています。さてその心はというと・・・
エフェソスは港町で、船員がたくさんやって来ます。彼らは長い航海の間女性に会えないので、さみしい気持ちになっています。
広告の意味は、「さみしい心(ハート)の人は、この道を真っすぐ行くと左側に(左足跡)
女の人が待っています」、つまり娼館の宣伝だったのです。
なお、四角い枠には「お金をちゃんと持ってきてね」と書いてあったそうです。
娼館のお向かいには、大変立派なたたずまいのケルルス図書館(120万冊の蔵書があった)があり、
その対照に、古代人の考え方をかいま見ることができるような気がしました。
さて、遺跡の次には考古学博物館に行きました。ここの目玉は2つあります。
1つは、手のひらに乗るくらいの大きさの、土偶のような像です。
これは豊饒の男神なので、身長より大きなソーセージをお持ちでおられ、
いかにも子孫繁栄を表すようなポーズをとっています。
観光客は「あらまあまあー」とか言いながら喜んで見ており、なかなかの人気者でした。
もう1つは、これまた豊饒を表す女神の「アルテミス像」です。
こちらは大理石製で、胸部から腹部にかけてブドウのように無数のおっぱいがついています。
これぞまさに「おっぱい星人」です。でも、見ているだけで肩凝りになりそうでした。(決してないものの僻みではナイ!)
さて、次の訪問先は「聖母マリアの家」でした。ここは、イエスが亡くなった後マリアが住んだと言われるところです。
この場所の発見には不思議なエピソードがあります。
体が不自由な修道女が、ある日突然行ったことのないエフェソスのマリアの家について語り出し、
その言葉通りに探して見つかったのだそうです。
家は狭い2部屋しかなく、1部屋にはマリアの祭壇、もう1部屋には聖書がおいてあります。
ここの最寄りの郵便局から手紙を出すと、マリア様マークの消印が押されます。 また、家のそばには、それぞれ富、結婚、健康を表す3つの水道があり、 そのうちの1つを選んで水を飲めば願いが叶うといわれています。 でもガイドのウールさんが「お腹を壊すから、飲まない方がいいですよね」と言うので、 手を洗うだけにしました。どれを選んだかは・・・想像にお任せしませう。
カルシウムと二酸化炭素を含んだ温泉が地表を流れ落ちるときに石灰質だけが崖に残り、このような不思議な景観を作り出しました。
石灰棚には靴を脱いで入り、お湯に足をつけて楽しめます(監視員は靴を履いていましたが)。
棚にはいつも入れるわけではないそうです。我々が着いたときも、係員に「ここは先週から入れなくなった」と言われ、
一瞬頭の中もパムッカレの様に真っ白になってしまいました。実は入れる場所が移っただけだったので良かったのですが、
行くときは入れることを確認してからの方がいいでしょう。
地表はやや粗いので、「温泉+足裏ツボ刺激」の二重の効果が期待できます。
また、滝のようになっている所では外国人が水着になってはしゃいでいるので、景色だけでなく、
セクシーな超Tバック水着姿をも堪能することができます。こうして体も心もリフレッシュが図れるわけですね。
ただ、水着姿が小錦のようなおばちゃんの場合には逆効果かも知れませんが・・・ 風がとても強くて、今にも足を滑らして下にゴロゴロ真っ逆さまの危険をおして撮った写真は、 手がぶれていたり水が撥ねたりしていましたが、それもまたいい記念です。
(ちなみに、水着はきれいに写っていました)
次回はパムッカレの宿で起こった「山口大ピーンチ!事件」をお送りします。お楽しみに。
温水プールの中央には高さ3m位の岩山がそびえ立ち、火山の如くお湯が頂上から噴き上げています。
さて、まずは部屋に荷物を置こうと部屋に向かったのですが、わたしの部屋は鍵の建て付けが悪く、鍵をどう回してもドアが開きません。
5分ほどガチャガチャと苦心しているところに現れたモモセさんに応援を頼んだのですが、やはり駄目。
添乗員という使命を負ったモモセさんがフロントの人を呼んで頼むと、あら不思議?いとも簡単にドアは開きました。
その後モモセさんとわたしも1回ずつドアを開けられることを試し、「まあ、大丈夫だろう」ということになりました。
しかしこの時、わたしの中にはドアに対する苦手意識が残ったのです。これが、後でハプニングの原因になるのですが・・・。
かの有名な温泉地に水着を忘れたうっかり者の山口さん、ということは前に言いましたが、 ところがどっこい!わたしはドライブインで水着を見つけ、勇気を出して買いました。 というのは、サイズの関係でワンピースかビキニの2択だったのですが、 ワンピースは虹に抹茶をぶっかけてねじって絞ったような色、 ビキニは紺の地に南国風の花柄でデザインはまあまあなのですが、ひもタイプで布もすぐ破れそうな、 いかにも頼りない感じの品だったからです。悩みに悩みに悩んだ末、「くさレインボー色よりはましだ!」と、 きっと一生縁が無いと思っていたひもビキニを買いました。
そのニュー水着を来て、わたしは嬉々としてプールへと向かったのであります。 普通のプールは水がとてもきれいで、しかもライトアップされており、背泳をすれば気分はすっかり峰不二子です。 温泉プールのほうはぬるい部分と適温の部分に分かれていて、適温の部分にはやはり日本人が集まっていました。 そこに浸かりに来た、別のツアーのおじいさんが言いました。「やあ、君らはみんな水着を持って来たんかね。わしはパンツだよ。 わっはっはっ。」 多分、わたしも男だったらやっていたでしょう。
「山口大ピーンチ!事件」はこの後すぐです。次回を待て!
ほっとして部屋に入り、ぱたんとドアを閉じたところで、わたしははっと気が付きました。 「あ、鍵が外に差しっぱなしだった!」 このドアは、さっき外に出るとき、鍵がないと開かなかったのでした。 部屋側のドアノブの部分には、大人の親指ほどの金具がついていますが、 これは回しても押しても引いてもまるで手ごたえがありません。 そう、わたしは外に鍵のついたままの部屋に閉じ込められてしまったのです。
こういう時こそ添乗員の出番だ!と思ったのですが、モモセさんはさっきプールで幸せそうに泳いでいたので、 当分帰って来るとは思えツクッケん。ドアをたたいて「おおーい」と助けを呼んでもみましたが、 我ながら情けない状況のためか、声に力も入りません。 まあ落ち着け、冷静に冷静に・・・と、少し冷静さを取り戻したわ たしは、最も単純確実な方法、即ちフロントに電話することを思いつきました。 初めに思いつかなかったのが不思議なくらいの、あっけない名案です。
早速フロントにダイアルし、この状況を説明しました。アヒルの子のスキップのような、たどたどしい英語を駆使しての全力投球です。
「あー、Hello、my room is 〇〇〇, I left my key outside of the door. Understand?」
「Aha-n」
「So、I can`t go out from my room. Help me !!」
「Aha-n. OK」
「!(通じた!)Thank you」
「(ぺらぺらぺら・・・・)morning(がちゃん)」
えー?モーニングということは、朝にならないと来ないの??そんな殺生な。今夜安心して眠れない、風呂にも入れない、
朝ごはんも食べ損ねる! 受話器を持ったまま一瞬で頭はそこまで回転し、わたしは再びフロントを呼び出しました。
「あー、Hello、my room is 〇〇〇, I left my my key outside of the door. Help me !
(力を込めて)Now ! Understand?」
「Aha-」
「Really? Now Now OK?」
「OK,OK(がちゃん)」
かくして、不安な数分が過ぎた後、無事ドアは開いたのでした。
翌日他の部屋の人に聞いた話では、ドアノブの裏側の親指大の金具を回せば、ドアは開いたとのこと。
でもでも、ウチの部屋は違ったのだ!とわたしは弱々しく思ったのでした。
みなさんも、鍵の開きにくい部屋では気を付けましょう。
人間失敗と挫折があってこそ成長するのです。